Cold flame (後編)

 

 

 

お仕置きだなんていうから、どんなことされるのかと思っていたけれど。

ずっと続く、ずいぶんと優しいクラウドのキス。
唇にゆっくり唇を押し付けて、そのまま少しずつ移動して頬にたくさんキスしてくれたり。
掌で頬を包んで瞼や額にキスしてくれたり。
いつもは割とすぐに舌を入れてくるのに今日はなかなか舌が絡んでこない。
不安だった気持ちを唇で浄化してくれているみたいで、わたしは目を閉じ、愛しげに続くキスにうっとり感じ入っていた。

キスが止むと、クラウドの声がした。

「ティファ」

「・・・ん?」

重くなってきた瞼をゆっくりと開けた。
わたしを魅了してやまない蒼い瞳がこちらを覗き込んでくる。

「今日は・・・・・・セックスの間、俺のことを好きだと言い続けろ」

クラウドの口から初めて聞くその単語に妙に衝撃を受ける。
今更ながらわたしとクラウドって、セックス・・・してるんだ、なんて改めて思いなんだか恥ずかしくなる。

「な、何言ってるの?」

「今日の罰だ。好きだって100回言うんだ。いや、200回にしようかな」

「えぇっ?」

「あと、気持ち良かったら気持ちいいって全部素直に言うんだぞ」

「や、やだ・・・!」

「やだじゃない。素直になんでも言う練習だ」

クラウドの大きな手が胸を揉み上げながら舌が胸の中心をなぞる。

「んっ!」

体が跳ねた。

「ほらティファ」

舌先が敏感なところをチロチロとくすぐる。

「・・・・・・・・・」

クラウドが待っている。
わたしは唇を噛み締めて観念した。

「・・・・・・っす・・・、好き・・・クラウド・・・」

「うん。あとは?」

「えぇ・・・?」

「気持ち良くないのか?」

クラウドの温かな指が両の乳首を優しく擦る。
先ほどつけられた唾液で指先がヌルヌルと滑り、体の中心に快楽の火が灯るのを感じた。

「あぁっ、・・・・・・き・・・・・・ん、ん」

「ん?」

「・・・・・・・・・・・・き、気持ち・・・い、い・・・」

乳首を捏ねられながら、こんなこと言うなんて。
恥ずかしくて顔を背けた。

「・・・よし」

ずいぶん嬉しそうなクラウドの声が聞こえた。

「いい子だ」

妙に艶っぽい響きを含んだクラウドの囁きに、不覚にもゾクリと胸が疼いた。

 

 

 

 

「ふ、あ!あぁっ・・・・・・!あ、あ・・・・・・」

わたしの脚の間に顔をうずめたクラウドから温かくていやらしい刺激が送られてくる。
敏感な蕾への刺激に耐え切れず、体が勝手に悶えてくねる。

「や、あ、あぁ・・・」

「ティファ」

小さく咎める声。

「や、だめ・・・!」

「ティファ」

怒ったようなクラウドの声。
わたしはなんとか声を出した。

「・・・、す、き・・・!」

「どのくらい?」

「・・・えぇっ・・・・・・んんん!」

きつく吸われ、体が仰け反った。

「どれぐらい、俺のこと好きなんだ?」

クラウドの指がゆっくり中に入ってきた。

「やっ、は・・・・・・は・・・・・・」

息が乱れる。
入ってきた指がゆっくりピストンを始める。
わたしの弱い膨らみを中で擦った。

「あっ、あぁぁ・・・っ!」

「ティファ」

「や、クラウド・・・!む、り・・・!」

快楽に支配されて頭が動かなくなる。息が乱れて、苦しい。

「もっとお仕置きされたいのか?」

強く擦られた。

「あああぁっ!」

「言え、ティファ」

「す、好、き!死んじゃう、くらい・・・!」

膨らんでいく快楽の中でクラウドのクスリと笑う声が聞こえた。

「・・・なんだそれ」

ぬるりと指が引き抜かれ、クタリと力の抜けた体を抱きしめられた。

「俺も、死ぬほど・・・ティファが好きだ」

「・・・・・・・・・・・・うん・・・」

クラウドの温かな腕の中で、乱れた息を整えた。
ゆっくり頭を撫でられわたしは猫のように目を閉じた。

「もう入れたいとこだけど・・・まだまだだな」

「え・・・?」

「まだ5回くらいしか言ってない。やり直しだ」

起き上がり再びわたしの脚の間に移動するクラウド。

「ク、クラウド・・・」

「口でしてる間に、あと95回。入れてから100回」

「やだ、本気なの?そんなの・・・」

「本気だ。お仕置きだからな」

再び温かな舌がわたしの女の部分を優しく舐め上げた。

「ん・・・」

抵抗こそしないけれど、無意識に邪魔をしようと伸ばした指先を指で絡めとられた。

「気持ちいいか?」

優しい舌使い。
柔らかい刺激とビリビリした刺激がランダムに訪れ、体が熱くなる。

「あ、クラ・・・ウド・・・・・・気持ち、いい・・・」

恥ずかしいけれど、正直に言う。

「ここは?」

「んん・・・!」

・・・知ってるくせに。

「気持ち・・・い・・・」

「もう一回」

わたしの弱いところを強く擦るクラウド。

「いや、あぁっ、気持ち、いい・・・!」

はしたない発言に頬が熱くなる。

「・・・やらしいな・・・」

息を荒げるクラウドに、顔を手で覆った。

「いや・・・!もういや」

「もうやめたい?」

「・・・・・・うん」

「・・・反省してないな」

「だって・・・」

暫し考えたクラウドは、再び無言で脚の間に顔をうずめた。

「んんっ・・・」

「・・・・・・じゃあ。俺が、他の誰かにこんなことしてたらどうする?」

意地悪な質問に一瞬で意識が冴え、目を開けた。
脳裏に浮かんだのは、あの子の脚の間に顔をうずめるクラウド。
あんなにクラウドに惚れ込んでいる彼女、もしクラウドにこんなことされたらどんな喘ぎ方するんだろう。

嫌な想像に頭を振った。

「いや!絶対、ダメ・・・!」

「んぐっ」

咄嗟に正直な気持ちが口から出て足でクラウドの頭を抑えつけてしまった。
慌てて解放すると、クラウドが満足そうな顔をした。

「想像したか?」

「・・・・・・・・・」

「ならもっと想像して」

トロトロになった蕾を舌で刺激しながらお腹を撫でるクラウド。

「今から俺がティファにすること全部。あの子にしてると想像してみろ」

「そんなの、いや」

「俺があの子を裸にしているところ。身体中にキスしているところ」

「・・・・・・・・・!」

「俺があの子を抱いているところ」

「好き、好きだから・・・!もう、言わないで!」

なんでそんなことを言うの。
涙が滲んでくる。
両の手のひらでわたしの顔を挟むようにしてクラウドが真剣な目で覗き込んできて、わたしは涙でいっぱいの目を見開いた。

「ティファ。そんなに嫌なら、これからはちゃんとヤキモチを妬け。嫌だってちゃんと言ってくれ」

「・・・・・・ちゃんと言わなかったら、クラウドはそういうこと・・・するの?」

クラウドは目を瞬いた。

「・・・・・・あんまりティファが俺に興味ないフリばかりするならわからないぞ」

「・・・・・・」

「ティファに嫉妬させるためになら、するかもな」

「・・・・・・じゃあ、ちゃんと言う」

上半身を起こし首に腕を絡めて正面からクラウドを見た。

「絶対、他の女の子にこんなことしないで」

「うん」

にこにこ嬉しそうな顔をするクラウド。

「もし、したら、クラウドのこと・・・殺しちゃうから」

過激な表現にクラウドは目を丸めた。

「わたし以外の人に触らないで」

「・・・うん」

「手を繋ぐのもダメ」

「うん」

「・・・・・・頭ぶつけるのも、笑いかけるのもダメ」

「うん」

クラウドの口角が上がる。

「他の人を可愛いって思うのもダメ」

「・・・ふっ」

「・・・何笑ってるの?」

「やっとティファの本音が聞けたな」

「・・・・・・全部、わたしだけじゃないと・・・・・・だめなんだから」

「ああ・・・・・・その調子だ」

クラウドは再びわたしを押し倒した。

 

 

 

 

「俺のこと・・・好きか?」

「うん、好き・・・・・・好きよ、クラウド」

ゆっくりゆっくり、わたしの中で動くクラウド。
穏やかに息が乱れていく。
クラウドが上から瞳を覗き込んでくる。

「もっと言え、ティファ」

少し、早くなるクラウドの腰の動き。

「あっ、あ・・・・・・好きなの、ずっと・・・前、から」

「うん・・・」

「もう・・・クラウドしか、いないの・・・」

「うん・・・」

揺られながら、言葉を紡いでいく。

「だから・・・ちゃんと、わたしだけ・・・!ああっ」

ますます早くなる動きに快楽が増し、思わず声を上げた。

「ティファ・・・」

クラウドが首すじに唇を滑らせる。

「俺にも、ティファだけだ」

「うん・・・」

愛しくて、涙が滲んでくる。

「俺は・・・・・・ティファが思うよりずっと前から・・・・・・」

「・・・・・・」

「ずっと、ずっと好きだったんだ」

「・・・・・・クラウド・・・」

「俺の方が何度も嫉妬してきた。だから・・・ティファがヤキモチ焼いてくれると、嬉しいんだ」

「うん・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・こういうの、バカップルっていうのか?俺たち」

思わず吹き出した。

「ふふ。そうかもね」

「・・・そうか。まぁ・・・いいか」

「うん。まぁ、いいよね」

クスクス笑い合う。
キスをすると、再び優しく揺さぶり出すクラウド。

「あ・・・あ・・・」

穏やかに身体を繋げていると、耳元でクラウドが囁いた。

「悪いが、まだ終わってないからな」

「え?」

「お仕置き」

「・・・まだ言わないとダメ?」

「もちろん」

「・・・・・・じゃあ・・・すきすきすきすきすきすきすきすき」

「おいそのやっつけ感、やめろ」

声を出して笑うクラウド。
反対に、わたしは思わず見惚れて真顔になってしまう。
あんまり見せない、クラウドが歯を見せて笑う顔。

「クラウドの笑った顔・・・・・・すごく、好きよ」

ク―ルな表情もいいけど、クラウド、もっと笑えばいいのに。
その笑顔を振りまいたら、世界中の女の子はイチコロなんだから。

(やっぱり、わたしだけのものにしておいた方がいいかな・・・)

わたしにしか見せない、この笑顔。
胸の中にある独占欲が満たされるのを感じた。
目を瞬くクラウドに、手を伸ばした。

「クラウド・・・もっと、きて」

わたしの胸の奥に火が付いたのを感じとったのか、クラウドは妖艶に目を細めた。
グイと足を持ち上げられ、深く浸入してくるクラウド。

「あぁ・・・」

「ティファ・・・言って」

腰をゆっくり打ち付けてくるクラウド。
深いところを抉られ、快楽の波が全身に広がり思考が止まる。

「あ・・・クラウド・・・クラウド・・・」

「ティファ」

「好き・・・クラウド・・・好きよ、大好き・・・」

どんどん早くなっていく揺さぶり。

「ふ・・・あっ、あ・・・あ・・・」

愛している人から受けるこの深い快楽。
何ものにも代え難い幸福感に包まれて、素直に感じるままに嬌声をあげた。

「や・・・気持ち、い・・・い・・・・・・クラウド・・・」

「ああ・・・気持ち良さそうな顔してる」

「・・・っ」

思わず片手の甲で顔を隠した。
すぐさまその手首は掴まれてシ―ツに押し付けられた。

「ティファのその顔だって、俺だけのものだ」

パンッ!

一際強く打ち付けられ、わたしは息を飲んで喉を反らせた。
そして始まる激しい突き上げに、咽び泣くような声をあげて果てるまで、わたしはクラウドへの愛を告白し続けた。

 

 

 

 

 

気がつくと外がほんのりと明るくなっていた。

「朝になっちゃったね」

「ああ・・・今から眠るかどうか・・・・・・・・・迷うな」

わたしを腕に抱きながら目を閉じウトウトしているクラウド。

「クラウド」

「・・・・・・」

「寝ちゃいそうだよ?クラウド」

「・・・・・・ん?」

「あとで起こしてあげるから、少し寝る?」

「いや・・・大丈夫だ。何か話してくれ」

目を閉じたまま必死に眠気と戦うクラウド。
せっかくだから、気になっていることを聞いた。

「じゃあ・・・あの、クラウド。どうするの?あの子への返事」

ゆっくり目を開けたクラウドは一瞬考え、肩を竦めた。

「別に何も」

「え?」

「返事は返さない。それで終わりだ」

「そんな・・・ちゃんと返事はしておいた方がいいんじゃない?」

「いや。アドレスを知られるのも面倒だ」

「そうかもしれないけど・・・」

「それにしても。ティファ相手にやり合おうなんて、あの子ずいぶん自信があるんだな」

ゴロンとこちらに向き直るクラウド。

「ティファの恋人に堂々とデ―トを申し込んだんだ。少しでも勝ち目があると思ったわけだろ」

「そう・・・だね」

しかもわたしの目の前で。改めて思い返すとムカムカしてきた。

「・・・・・・はっきり言って苦手なタイプだ」

「・・・・・・」

だけど、返事もせずに無視していていいとは思えない。困った顔で思案していると、わたしの顔を見てクラウドはハッとした。

「いや、やっぱりちゃんと返事はした方がいいな。ティファは迷惑してたんだもんな。はっきり断るよ」

「・・・うん」

それにしても、逆の立場だったらと思うと少し胸が痛む。
クラウドが好きで好きで、恋人がいるとわかっていても気持ちが止められなくて苦しくて。
思い切って告白してみたら、はっきり断られて。
わたしだったら・・・断られても忘れられなくて、ずっとずっと引きずると思う。もしかしたら、一生。

「ねぇ、クラウド」

「うん?」

「返事をするとき、できるだけ優しい言葉にしてあげて。あと、ありがとうって一言は絶対につけて」

意外そうに目を丸めたクラウドは、程なくして優しげに目を細めた。

「・・・ティファらしいな。わかった」

 

 

 

 

 

翌日、クラウドは配達先近くのカフェで昼食をとりながら返信のメ―ルを作っていた。

――――――――
気持ちは嬉しいが、俺にとって何よりも大事なのはティファだ。
彼女は子供の頃からずっと想ってきた人なんだ。俺とティファが離れることはない。
申し訳ないが忘れて欲しい。
ありがとう。
――――――――

・・・こんな感じでいいだろうか。

他人にティファへの愛を叫ぶのは気恥ずかしいが、このくらいはっきり言った方がいいだろう。

クラウドは送信ボタンを押した。
やれやれとばかりに携帯をテ―ブルに置くと、クラウドはカフェの窓から青い空を見上げた。

今回の件は、なんだかんだあったが結局ティファとの仲をより深めるいいスパイスになったのかもしれない。こんな考えはあの子には少々申し訳ないが・・・。
嫉妬は妬く方も妬かれる方も大変だけれど、妬かれないのはとても寂しい。
俺はこれからも、ティファに言い寄る男がいたら露骨に嫉妬して蹴散らしてやろう・・・なんて決意を新たにしていると、メ―ルの着信音が聞こえた。
見ると、あの女の子からの返信だった。

―――――――――
メ―ルありがとうございました。
わたし、それでもあなたが好きです。ずっと、ずっと待っています。
―――――――――

「・・・・・・・・・」

これはティファに見せるべきか?見せないべきか・・・?
待ってるって、ティファと別れるのを待つって意味なのか?
・・・女は怖いな。
やっぱり俺は、ティファくらい控えめで健気な感じが好き、だな。

何て返事をすべきかわからず、とりあえずクラウドは携帯をポケットにしまった。

 

 

 

 

 

 

 

FIN

 

諦めてないようなので、またかわい子ちゃんを発端にひともんちゃくあってもいいかも(笑)

お待たせしました。ほんとーにお待たせしました・・・。一年ぶり?えっ!?それ以上だ・・・。
拍手から続き楽しみにしていますってコメントくださっていた皆さん、本当にお待たせしてしまい申し訳ない・・・!
でも皆さん、ゆっくりでいい、いつまででも待つのでと言ってくださったり本当に皆さん優しくて・・・(涙)
お言葉に甘えて、スーパー時間かかりましたが、何とか完成しました。
拍手のコメントはいっつも読んでました。動きないのに拍手くださったりコメントくださったり。そこでパワーをもらい動き出せました。ありがたや・・・ありがたや・・・(感涙)

また今度、拍手のお返事はさせてもらいます!! →MEMOにてお返事させていただきました!

 

↓管理人のヤル気が出ます↓
お返事はMEMOにて

 

 

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