熱の在り処 (中編その5)

部屋のベッドに一緒に腰掛けると、ただただ抱き合った。
久しぶりの腕の中の感触。香り。
愛おしくて、勝手にため息が出た。
ティファも同じように、俺の首元に頬をすり寄せてじっとしていた。

「・・・・・・一週間なのに、長かった・・・・・・」

呟くように言った。

「うん・・・・・・そうだね。わたしも、すごく長かった・・・・・・」

ティファの腕に少し力がこもった。
胸を離すと、一瞬見つめあったあと、静かに唇を合わせた。
何度か押し付けるだけのキスをしているうちに、気持ちが溢れ出す。
・・・・・・愛しい。とても。
さんざんひどい妄想をしてきたけど、こうして腕に抱いていると嘘のように穏やかな気持ちになる。
二人きりになったとたんひどい事をしてしまいそうな気がしていたけれど、どうやら大丈夫そうだ。
俺も結構紳士じゃないか、なんてことを思った。
唇から頬に、頬からまぶたに、もう一度唇に戻ると、お互い自然と開いた唇からそっと舌を絡ませた。
暖かくて、とろけるように柔らかなティファの舌。
その感触にまたもや一気に感情が昂る。
いつもそうだ。舌を絡ませたとたん、それ以上のことがしたくなってしまう。
内に篭り始めた熱を逃がすように、唇を離した。

ティファが見上げてくる。
少し潤んだ瞳と、上気した頬で。

「・・・・・・っ」

思わず顔を背けた。
・・・・・・反則だ。その顔は、いつだって俺の情欲を掻き立てる。

「・・・・・・・・・」

ティファが恥ずかしげに俯いた。
俺がこれ以上進まないように自制しているのを感じとったようだ。
そっと控えめに抱きついてきたティファを、ぐっと抱き返して、熱を逃がすようにため息を吐いた。

「・・・・・・・・・・・・もう、部屋にいくね」

「・・・・・・・・・・・・」

「もう寝なきゃ、クラウド・・・・・・」

「・・・・・・もう少し」

ティファを覗き込むと、キスを再開した。
手を握り、優しくゆっくり舌を絡ませた。
時折洩れるティファの切なげな吐息を聞きながら、長く長く、キスをした。
やっと唇を離し間近でティファを見ると、少し息が上がり、閉じた睫毛が震えていた。

そっと首筋にキスを落とす。
ティファが僅かに身を捩る。
唇と舌を鎖骨に沿うように滑らすと、ティファがイヤイヤをした。

「・・・・・・クラウド・・・・・・子供達がいるから、もう」

「・・・・・・もう少しだけ」

ほんの少しの抵抗を見せるティファの耳の裏や首筋にゆっくり唇を押し付けた。
いい香りが鼻腔をくすぐり、下半身に熱が集まってくる。
我慢できず舌で首筋を舐め上げた。

「あっ」

首をすくめるティファ。
はっと唇を押さえて、恨めしげに睨んでくる。

「クラウド・・・・・・もう、だめ」

「あと少しだけ・・・・・・」

「ダメっ。だって・・・・・・」

「・・・・・・だって、これ以上は声が抑えられないから?」

ダメだ。興奮してきた。
ティファだって、これ以上のことをするのを我慢・・・・・・してるんだよな?
顔を見ればわかる。
ティファだって、このまま愛し合えればって思っているはずだ。

子供達がいる日はやめよう、そう決めたけど、やはり辛い。
毎日禁止されているのと同じだ。
あまり広いとは言えない我が家。子供達のことを考えるとしない方がいいとわかっているけど・・・・・・あまりに 酷だ。
もう、キスだけでこの欲望を収めようとするかのように、貪るようなくちづけをした。
わかっていたけど・・・・・・逆効果だった。
背に添えるだけにしていた手は無意識のうちにティファの二の腕を掴み、くちづけの勢いでそのままティファを押し倒した。
そのままティファの耳の裏や首筋に吸い付いた。
ティファに覆いかぶさった瞬間、もう止められないと自覚した。
胸にそっと手のひらを押し付けた。

「クっ、クラウド・・・・・・」

困惑して小さく名を呼ぶティファ。
かまわず胸を揉んだ。

「・・・・・・・・・・・・っ」

ティファがぎゅうと目を瞑った。
舌を激しく絡ませ合いながら、ティファの大きな乳房を揉みしだく。
シャツを捲し上げ、露わになった胸元の肌に唇と舌を這わす。
・・・・・・甘い。
なんでティファの肌は甘いんだろう。
背中のホックを外すと、ブラジャーから乳首を覗かせた。
まだ柔らかなそれを口に含むと、ティファがビクリと体を硬くした。
舌で転がすうちに口の中でツンと立ち上がる、それ。

「んっ・・・・・・」

洩れた声に、慌てて口を押えるティファ。
かまわず続ける俺は、両の乳首を刺激することに夢中になる。
やわやわと揉みながら、舌で頂きを何度も弾くと、ティファの体が小さく跳ねる。
ああ、この反応。
止まらなくなる。
指が、舌が。

目を強く閉じて、唇に手の甲を押し付けて必死に声を抑えているティファ。
頬を真っ赤にしたその様子に、情欲がめらめらと燃え上がった。
腰から腿に手を滑らすようにしながら、下のナイトウェアを脱がせていく。

「やっ・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・最後まで、しないから」

自信はないけれど、本心だった。
子供達がいるのにしてしまう事をティファは嫌がっている。
嫌がることは、できればしたくない。

「だって、それじゃ・・・・・・」

眉をハの字にして、真っ赤になるティファ。
可愛くて、ますます止めようがなくなる。

「・・・・・・口で、だけにするから」

「だっ!だめ!」

「大丈夫だ」

そこまでしたら、たぶん大丈夫じゃない。
でも、なんとか止めてみせるから、今はどうしてもしたいんだ。
さらに脱がしにかかると、暴れ出すティファ。

「だっ、だめだってば!やめて!」

小声で必死に抵抗するティファの服を膝まで脱がせるとぐいと足を持ち上げて、下着越しにキスをした。

「っ!」

ティファが一瞬動きを止めた。
舌を這わすと、とても熱くて・・・・・・湿っていた。

「あっ」

舌を動かすと、洩れるティファの声。
かまわず続けると、また声が洩れた。

「んん」

ティファが目を開いて、俺を押しのけた。

「クラウド、お願い・・・・・・。もう、やめよう?」

「・・・・・・・・・・・・」

知らぬうちにかなり息が上がっていたことに気づく。
呼吸を整えると、ティファを見上げた。

「・・・・・・・・・無理だ」

正直に今の気持ちを言う。
絶対もう、無理だ。

「・・・・・・・・・」

俯きながら、服の乱れを直すティファ。

「・・・・・・・・・子供達がいるんだよ?気づかれたら、もう顔合わせられない・・・・・・」

ティファは呼吸を乱しながらも、申し訳なさそうにこちらを見た。

「・・・・・・・・・・・・」

わかったって言ってやりたいけれど、その言葉がなかなか出せない。

「ごめんね、クラウド」

よほど辛そうな顔をしていたのか、ティファが泣きそうな顔で抱きついてきた。
冷めようのない熱を腹に抱えつつ、ティファを抱きしめた。

「・・・・・・・・・・・・わかった」

深くため息をつく。

「結構・・・・・・キツいな」

「・・・・・・ごめんね」

「いいんだ。気づかれたくないのは俺も同じだ」

ぎゅうと腕に力を込めるティファ。

「・・・・・・・・・・・・明後日まで・・・・・・待って」

ドキン。

ティファの小さな声に、心臓が跳ねた。
そうか。明後日からは・・・・・・

「そうだったな・・・・・・」

今日と明日我慢すれば、その後は。
楽しみは全部明後日にとっておこう。そう思えば、なんとか我慢できそうだ。

「わかった、待つよ」

「うん・・・・・・」

そのまましばらく抱き合った。
と、そこでいい事を思いついた。

「待つから・・・・・・そのかわり」

ティファが動きを止めて続きを待っている。
突然の交換条件に嫌な予感がしてるか?
思わず口角が上がった。

「・・・・・・まぁ、いい。明後日言う」

「な、なに?へんな事はしないわよ」

俺は肩を竦めた。

「別に変なことじゃない。俺とティファの為になることだ」

「・・・・・・?」

不安そうな顔のティファをもう一度抱きしめた。

「これティファが思ってるよりも辛いんだぞ。ご褒美くらい、いいだろ」

「・・・・・・・・・・・・うん・・・・・・」

まだ不安そうなティファの声。
ティファはちゃんと実行してくれるかな。
明後日からの楽しみが、ひとつ増えた。

 

 

 

 

 

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「もう帰宅するから悶々クラウド書けないな」と思うと筆が進まず、更新遅くなりました。
でも帰宅後もなんとか引っ張って悶々させてみました(笑)
メッセージくださった方々、ありがとうございました!!今日はちょっと時間がないので、後日またMEMOでお返事します!

 

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